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2007年6月  

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Windows共有フォルダー接続設定 (クライアント設定)

 FedoraCore6からWindows共有フォルダーに接続する設定を3種紹介します。目的に合わせて設定してください。

  1. ネットワークブラウザから利用する方法。(表示された接続可能サーバから順次選択する方式)
その他目次
Windows共有フォルダーフルファイル名対応アプリケーションについて


 なお、Windows共有フォルダーに接続するクライアント機能のみを使用する場合、FedoraCore6標準インストールで出来ます。Sambaサーバパッケージのインストールは不要です。

なお、本ページ記載内容に理解出来ない部分がある方は「 Unix , Linux が初心者の予備知識」 を参照してください。

ネットワークブラウザから利用する方法

手順

  1. ネットワークブラウザの起動

    コンピュータブラウザを起動しその中の「ネットワーク」を選択します。

    又は、

    メニュー:場所/ネットワークサーバーをクリックします。


  2. Windowsネットワークの表示

    本コンピュータが接続されているネットワーク内にWindowsコンピュータがあり、そのネットワークが有効であれば、「Windowsネットワーク」項目が表示されます。本項目をクリックします。

    WindowsdosドメインでなくWindowsワークグループ等の場合、Windowsコンピュータは同じLAN内(同じサブネットマスク)である必要があります。


  3. ネットワークグループ又はWindowsドメインを選択します。
  4. 共有フォルダーを持つサーバコンピュータを選択します。

    選択したネットワークグループ又はドメイン内のコンピュータリストが表示されますので目的のコンピュータをクリックします。
    左図例の場合、「WINDOWSPC」がサーバー名です。


  5. サーバーコンピュータにログオンする情報を入力します。
    ユーザ名 ログオンするユーザ名。Windows側のユーザ名です。
    ドメイン Windowsネットワークがドメインネットワークの場合そのドメイン名です。ドメインでなく単なるネットワークグループの場合特に入力の必要ないです。
    (ここでのドメインは簡単に言うとWindowsアクティブディレクトリ参加のネットワークです。)
    パスワード ユーザ名に対するパスワードを入力します。Windowsセキュリティ強化により、パスワードの無いユーザに対して共有フォルダー公開しない環境設定が十分考えられますので、パスワードを持つユーザにて行ってください。

  6. 目的の共有フォルダーを選択します。

    無事、サーバーコンピュータにログオンできれば、その共有フォルダーリストが表示されます。
    左図例では、「SharedDocs」となります。


  7. 以後通常のブラウザ操作となります。

    フォルダー内のファイルリストが表示されますので、後は通常のブラウザ操作となります。


  8. GNOMEアプリケーションでのフルファイル名指定。

    Windows共有フォルダー内ファイルのフル名は、
    smb://<サーバ名>/<フォルダー名>/<ファイル名>
    となります。左図例の場合、

    smb: 固定文字
    //windowspc windowspcがサーバ名
    /sharedDocs sharedDocsが共有フォルダー名

    となります。
    GNOMEアプリケージョンで、ファイルを開く等ファイル名指定時に、smb: から始まるフルファイル名を指定することが出来ます。

    本機能は対応済みGNOMEアプリケージョンの場合利用できます。
    Windows共有フォルダーフルファイル名対応アプリケーションについて」を参照してください。

デスクトップやコンピュータブラウザにWindows共有フォルダー接続アイコンを設定する方法

手順
  1. 【サーバへ接続】を起動

    コンピュータブラウザを起動し、ファイルメニュー/サーバへ接続を選択します。

    又は

    メニュー:場所/サーバーへ接続をクリックします。


  2. サーバへ接続 設定項目の入力

    @【サービスの種類】は必ず【Windows共有】を選択してください。
    A【サーバー名】は未入力の場合、接続操作時、選択の問いがあります。目的からしてここで設定入力してください。
    B利用目的に合わせて入力してください。未入力項目については、接続操作時、入力のお問い合わせがあります。

    サービスの種類 【Windows共有】を選択設定します。
    サーバー名 接続するコンピュータ名を入力(未入力可能ですが、出来れば入力します。)
    共有する場所 共有フォルダー名を入力。(目的に合わせて未入力可能)
    フォルダー 共有フォルダー内のフォルダーを指定する場合入力。(目的に合わせて未入力可能)
    ユーザ名 サーバーにログオンするユーザ名(共有フォルダー側のユーザ名)。(目的に合わせて未入力可能)
    ドメイン 接続サーバがWindowsドメイン参加の場合そのドメイン名。(目的に合わせて未入力可能)
    (ここでのドメインは簡単に言うとWindowsアクティブディレクトリ参加のネットワークです。)
    接続で使用する名前 デスクトップに貼り付けられるアイコン名。(目的に合わせて未入力可能)

  3. 共有フォルダーサーバにログオン時の入力
    ユーザ名 ログオンするユーザ名。Windows側のユーザ名です。
    本見本でログオンユーザ名の入力がないのは、サーバーへ接続設定でユーザ名を指定しているため、この場合ここでは入力の必要がありません。例では、"User1"を設定しています。
    ドメイン 接続サーバがWindowsドメイン参加の場合そのドメイン名を入力します。Windowsワークグループネットワーク等の場合、入力の必要ありません。
    パスワード ユーザ名に対するパスワードを入力します。Windowsセキュリティ強化により、パスワードの無いユーザに対して共有フォルダー公開しない環境設定が十分考えられますので、パスワードを持つユーザにて行ってください。

  4. 無事接続(ログオン)が出来ればフォルダーリストを表示します。

    フォルダー内のファイルリストが表示されますので、後は通常のブラウザ操作となります。


  5. GNOMEアプリケーションでのフルファイル名指定。

    Windows共有フォルダー内ファイルのフル名は、
    smb://<サーバ名>/<フォルダー名>/<ファイル名>
    となります。左図例の場合、

    smb: 固定文字
    //windowspc windowspcがサーバ名
    /sharedDocs sharedDocsが共有フォルダー名

    となります。
    GNOMEアプリケージョンで、ファイルを開く等ファイル名指定時に、smb: から始まるフルファイル名を指定することが出来ます。

    本機能は対応済みGNOMEアプリケージョンの場合利用できます。
    Windows共有フォルダーフルファイル名対応アプリケーションについて」を参照してください。


ローカルディスクのようにマウントして使用する方法。

利用可能な共有フォルダーの確認

smbclient  命令で指定サーバの利用可能共有フォルダーリストが表示出来ます。
基本的な使用書式を示します。
smbclient -L <ホスト名> -U <ユーザ名>
ホスト名 共有フォルダーを持つコンピュータ名
同じLAN内(同一サブネットマスクのネットワーク)でのコンピュータであれば、コンピュータ名が機能しますが、違うLANの場合、hosts又はDNS等に登録されて名前解決されている必要があります。
名前解決出来てない環境では、IPアドレスを直接指定してみてください。(例: smbclient -L 192.168.10.20 -U user1)
ユーザ名 共有フォルダー側のコンピュータにログオンするユーザ名です。(Windows側のユーザ名)
-U 指定をしない場合、Fedora側での現在ログイン名を使用します。その場合、そのユーザ名がWindows側で登録されおり機能していることが必要です。
なお、smbclient についての詳細は
$ man smbclient
又は
$ smbclient -?
を参照してください。

例1: ホスト名: WindowsPC  ユーザ名: user1 の場合

下図 Type項目が Disk のものが共有フォルダーとなります。本例の場合、SharedDocsが一般的な共有フォルダーになり、他にある C$ , D$ も共有フォルダーであり、ローカルドライブ C: や D: を指し示しています。初心者の方はC$,D$などは使用しない方が無難です。

$ smbclient -L WindowsPC -U user1
Password:         <--user1のパスワードを入力
Domain=[WINDOWSPC] OS=[Windows 5.1] Server=[Windows 2000 LAN Manager]

        Sharename       Type      Comment
        ---------       ----      -------
        IPC$            IPC       Remote IPC
        SharedDocs      Disk
        C$              Disk      Default share
        D$              Disk      Default share
Domain=[WINDOWSPC] OS=[Windows 5.1] Server=[Windows 2000 LAN Manager]

        Server               Comment
        ---------            -------

        Workgroup            Master
        ---------            ------- 
$

例2: ホスト名: 192.168.10.20  ユーザ名: user1 の場合

$ smbclient -L 192.168.10.20 -U user1
Password:         <--user1のパスワードを入力
<以下省略>

例3: ユーザ名: user1 のパスワードを間違えた、若しくは user1がホスト側で機能するようにでユーザ登録されていない場合

$ smbclient -L WindowsPC -U user1
Password:         <--user1の間違ったパスワードを入力
session setup failed: NT_STATUS_LOGON_FAILURE
$ 

例4: ホスト: No-PC が存在しない、若しくは 存在するが名前解決されない場合

$ smbclient -L No-PC -U user1
Connection to No-PC failed
$ 

例5: ユーザ名指定しない場合で現在Fedora側でのログインが FedoraUser の場合

$ smbclient -L WindowsPC 
Password:          <--FodoraUser ユーザ名のパスワードを入力
                     ただし、FodoraUser は WindowsPC側で機能する
                     ように登録されていること。
<以下省略> 

共有フォルダーのマウント (mount命令)

マウントとは、指定デバイス、今回の場合共有フォルダーですがこれを本Linuxにファイル利用できるように接続する操作です。
たとえば、ネットワーク上のコンピュータ WindowsPC の共有フォルダー ShoredDocs に接続してLinux側では /mnt/win ディレクトリで使用する場合の操作例を以下に示します。
  • 本命令はroot特権が必要ですので、現在rootユーザでない場合、su命令でrootユーザとなってください。
  • マウント先にディレクトリが存在する必要があるため、あらかじめ作成しておく必要があります。
  • コンピュータ名は、必ずhosts又はDNS等に登録されて名前解決されている必要があります。 同じLAN内(同一サブネットマスクのネットワーク)でのコンピュータであっても、名前解決は必要です。
    名前解決出来てない環境では、IPアドレスを直接指定して下さい。(例参照)
例1:
$su             <-- rootユーザとなる
パスワード:                  <-- rootユーザパスワード(Linux側)
#mkdir /mnt/win       <-- マウント先ディレクトリを作成

# mount -t cifs //WindowsPC/SharedDocs /mnt/win -o user=WUser1,uid=LUser1,gid=LUser1
Password:     <-- WUser1ユーザパスワード(共有フォルダー側)
#
無事マウント出来れば、
ls -la /mnt/win
でWindows共有フォルダー内のファイルリストが表示されます。以後 Linux側では /mnt/win ディレクトリにてWindows側の共有フォルダーをアクセスします。
-t cifs 共有フォルダーのタイプ指定。固定文字です。
//WindowsPC/SharedDocs //<コンピュータ名>/<共有フォルダー名>
コンピュータ名は名前解決されている事、若しくはIPアドレス
/mnt/win Linux側で使用する時の接続先。任意ディレクトリ指定
以下 オプション指定 (-o)
user=WUser1 共有フォルダーにログオンするユーザ名。
Windows側にユーザ登録されている必要があります。
uid=LUser1 Linux側で使用する時の共有フォルダー所有者の指定。
本指定がない場合、所有者がrootとなり、所有者以外は書き込みが出来ない等の状態となります。目的に合わせて設定してください。
gid=LUser1 Linux側で使用する時の共有フォルダー所有グループの指定。
本指定がない場合、所有グループがrootとなり、所有グループ以外は書き込みが出来ない等の状態となります。目的に合わせて設定してください。

マウントの関しての詳細は、
$ man mount
を参照してください。
例2: 読み込み専用でマウントする。
# mount -t cifs //WindowsPC/SharedDocs /mnt/win -o ro,user=WUser1
Password:     <-- WUser1ユーザパスワード(共有フォルダー側)
例3: ホスト名: 192.168.10.20  ユーザ名: user1 の場合。
# mount -t cifs //192.168.10.20/SharedDocs /mnt/win -o user=WUser1,uid=LUser1,gid=LUser1
Password:     <-- WUser1ユーザパスワード(共有フォルダー側)

例4: ユーザ名: user1 のパスワードを間違えた、若しくは user1がホスト側で機能するようにでユーザ登録されていない場合。

# mount -t cifs //WindowsPC/SharedDocs /mnt/win -o user=WUser1,uid=LUser1,gid=LUser1
Password:         <--user1の間違ったパスワードを入力
mount error 13 = Permission denied
Refer to the mount.cifs(8) manual page (e.g.man mount.cifs)

例5: ホスト: No-PC が存在しない、若しくは 存在するが名前解決されない場合。

# mount -t cifs //No-PC/SharedDocs /mnt/win
mount error: could not find target server. TCP name No-PC/SharedDocs not found
No ip address specified and hostname not found 

例6: ユーザ名指定しない場合、ユーザ名は root で行われる。

# mount -t cifs //WindowsPC/SharedDocs /mnt/win -o uid=LUser1,gid=LUser1
Password:         <--root ユーザ名のパスワードを入力
                     ただし、root は WindowsPC側で機能する
                     ように登録されていること。 

例7: root特権でない場合のエラー

$ mount -t cifs //WindowsPC/SharedDocs /mnt/win -o user=WUser1
mount: only root can do that

例8: マウント先ディレクトリが存在しない場合のエラー

# mount -t cifs //WindowsPC/SharedDocs /mnt/NoWin -o user=WUser1
mount error: can not change directory into mount target /mnt/NoWin
# mkdir /mnt/NoWin
# mount -t cifs //WindowsPC/SharedDocs /mnt/NoWin -o user=WUser1
Password:

現在マウント状況表示

パラメータ指定無しの場合現在状況をリストします。
$ mount
/dev/hda4 on / type ext3 (rw)
proc on /proc type proc (rw)
sysfs on /sys type sysfs (rw)
devpts on /dev/pts type devpts (rw,gid=5,mode=620)
tmpfs on /dev/shm type tmpfs (rw)
none on /proc/sys/fs/binfmt_misc type binfmt_misc (rw)
sunrpc on /var/lib/nfs/rpc_pipefs type rpc_pipefs (rw)
//WINDOWSPC/SharedDocs on /mnt/win type cifs (rw,mand)  <--今回マウントしたもの

マウントの解除 (umount命令)

例えば、デバイス //WINDOWSPC/SharedDocs を マウント先 /mnt/win でマウント中の場合、その解除は、
# umount /mnt/win
又は、
# umount //WINDOWSPC/SharedDocs
どちらか一方を行ってください。

Windows共有フォルダーフルファイル名対応アプリケーションについて

共有フォルダー内のファイルフル名は、接続方法により以下の2種類になります。また、その型式の対応はアプリケーションによって違いますので注意が必要です。
接続方法 ファイルフル名型式 アプリケーション
の基本的対応
ネットワークブラウザやサーバへ接続から利用 smb://<サーバ名>/<フォルダー名>/<ファイル名>
例:
smb://WindowsPC/SharedDocs/test1.txt
smb://Machine1/CommonFiles/test2.bmp
GNOMEアプリケーションであり、smb: ファイル名が対応済みのもの。
マウント命令 (mount) による利用 <マウント先>/<ファイル名>
例:
/mnt/win/test1.txt
/media/PC1Shared/test2.bmp
アプリケーションの種類に関係なく利用できるが、条件によって動作不安定なものあり。mount側、アプリ側どちらに問題があるかは不明。

代表アプリケーションの動作確認 (Kernel 2.6.20-1.2948)
アプリケーション smb://型式フルファイル名
例:
smb://host/shared/test1.txt
マウントによるファイル名
例:
/mnt/win/test1.txt
gedit Ver 2.15.9 △2 △1
Nautilus Ver 2.16.2 △2 △1
The GIMP Ver 2.2.14 ×
ファイル名の補足は動作するが、
開く、保存出来ない。
画像ビューア
Firefox
OpenOffice関係
lsやcat等シェル基本コマンド ×
GNOMEアプリで無いので動作しない
△1
gedit を直接起動し、そのファイルメニューでファイルを開く、またそれを保存する等の動作はするが、Nautilusファイルブラウザから対象ファイルをクリックして開く場合、「このファイルは開くことは出来ません」等のエラー発生。また、開けたとしても、そのファイル保存でエラー発生。Nautilus経由でファイル名と共にgeditが起動された時、発生するもよう。Mount型式なので全てにおいて問題なく動作しても良いと思うが原因不明。Nautilus,gedit どちらに問題あるかは不明。
△2
△1と同じ現象が極まれに発生。常に発生はしない。

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  • Connection to ... failed エラーが発生する。
  • mount error 13 = Permission denied エラーが発生する。
  • mount error: could not find target server. TCP name ... not found エラーが発生する。
  • mount: only root can do that エラーが発生する。
  • mount error: can not change directory into mount target  エラーが発生する。
  • 共有フォルダー/ファイルの読みは出来るが書き込みが出来ない。
  • smb: とは何?