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2007年7月  

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インストール直後に必ず行うべき環境設定 1.パッケージ更新を高速にする設定

 FedoreCore6(フィドーラコア)にてインストールを行った直後に必ず行った方が良いと思われる環境設定2点を示します。
その他の環境設定は、個人の利用目的にあわせて行えばよいですが、最低限この2点は最初に行った方がよいと思いますので、特にLinuxが初心者の方にはお薦めします。この設定を行わなくてもLinuxの利用は出来ますが、行った場合、その後の環境設定作業効率が大変良くなります。

なお、本ページ記載内容に理解出来ない部分がある方は「 Unix , Linux が初心者の予備知識」 を参照してください。

ネット上からのパッケージ更新やインストール等を高速にする設定

 Fedoraの場合、ネット上からパッケージの更新やインストール等する時、yum(ヤム)、pup、pirutコマンドを使用します。FedoraCore6をCD-ROMからインストールした直後の設定でパッケージ更新を行った時、何時間もかかってしまいます。これは、更新パッケージ数が大変多いこともありますが、そのとき接続したダウンロード先が海外で通信時間がかかってしまう、または大変混雑しているのが大きな原因のようです。その対策が2点あります。

  1. ダウンロード接続先ミラーサイトをすべて国内のサイトにします。
    国内とのこともあって通信時間がかからず安定しています。各サイト自体も処理能力が良く安定しているようです。
  2. 「yum-fastestmirror」をインストールします。
    これにより、利用コンピュータ環境からみて速いミラーサイトに自動接続し処理してくれます。

    2007年7月時点では、ダウンロード先リストを提供してくれるサイト(http://mirrors.fedoraproject.org/)が日本国内のミラーサイトを示してくれますので、海外サイト接続によるダウンロード時間がかかってしまう動作はなくなりました。これにより,以前は、国内ミラーサイトからダウンロード行う特別な設定を行いましたが、その必要がなくなりました。

パッケージ更新時のダウンロード時間簡易試験

 FedoraCore6本体をインストールし初めてのパッケージ更新ではその対象が数百(今回の実験では240)パッケージと大量発生します。一度更新を行っておけばその後は更新件数は少なくなります。その初めての更新のダウンロード時間を試験します。


初めてのパッケージ更新を行った時のダウンロード時間簡易試験
更新命令 国内ミラーサイト
のみを設定
yum-fastestmirror
のインストール
ダウンロード時間 備考
yum
× 20〜28分
yum
20〜28分
yum-updated
pup
× 23〜25分
yum-updated
pup
21〜48分
yum
× × 105〜165分
yum
× 17〜32分
yum-updated
pup
× × 60〜96分 測定困難数回発生
yum-updated
pup
× 58〜240分 測定困難数回発生
更新パッケージ数: 240
gooによるネット速度: 約4Mbps
更新命令 yum: テキスト表示の命令。 "#yum update" を実行
更新命令 yum-updated pup: グラフィカル画面の命令
国内ミラサイトのみを設定: ○は設定した。
yum-fastestmirrorのインストール: ○はインストールした。
ダウンロード時間: 各項目複数回試験を行い極端に時間がかかったものは含めていない。

試験結果の見解

  • 国内ミラーサイトのみを設定した場合、常に有効に機能しその効果は絶大なので必ず設定すべきである。
    【初心者の方へ】
    インストール直後は海外のミラーサイト状態になっているので、エディター等で設定する作業は敬遠しがちと思いますが、絶大なる効果があるので手間を惜しまないでください。
  • "yum-fastestmirror"はyum命令に対しては有効に機能しますが、グラフィカル画面のyum-updated,pup に対しては機能していないようです。本来ならpup等のコードを詳細に調べて機能していないことを確認すべきであるが、今回の試験と、今までの利用経験からそこまで手間をかける事は無いだろうとの判断です。
  • FedoraCore6が推奨しているパッケージ更新の運用は、グラフィカル画面のyum-updatedとpupなので"yum-fastestmirror"のインストールのみで高速設定済みとせず、国内ミラーサイトのみの設定も行うようにします。
  • Linuxを初めてインストールして最初のパッケージ更新が長時間かかり衝撃を受けた方、このような理由であることを理解してください。
  • ためしにLinuxをインストールしてみたがパッケージ更新があまりにも長時間でLinuxは使い物にならない等、過去において結論を出された方、このような事情を考慮して検討し直してみてはどうでしょうか。

yum ミラーサイトを国内サイトに設定

2007年7月時点では、ダウンロード先リストを提供してくれるサイト(http://mirrors.fedoraproject.org/)が日本国内のミラーサイトを示してくれますので、海外サイト接続によるダウンロード時間がかかってしまう動作はなくなりました。これにより,以前は、国内ミラーサイトからダウンロード行う特別な設定を行いましたが、その必要がなくなりました。

 国内ミラーサイト設定を行う項目は、「Base」「updates」「extras」の3種あり、どれも同じ作業です。記述変更する実際のアドレスは「Fedora Coreミラー一覧」に示されているアドレスを設定してください。以下の例では2007年4月時点でのFedoraCore6のアドレスを示します。

設定を行うファイル名
ミラー名称 修正ファイル 修正項目
Base /etc/yum.repos.d/fedora-core.repo [core]
updates /etc/yum.repos.d/fedora-updates.repo [updates]
extras /etc/yum.repos.d/fedora-extras.repo [extras]
手順
  1. /etc/yum.repos.d/fedora-core.repo をエディターで開きます。
  2. 下記内容
    [core]
    name=Fedora Core $releasever - $basearch
    #baseurl=http://download.fedora.redhat.com/pub/fedora/linux/core/$release ……
    mirrorlist=http://mirrors.fedoraproject.org/mirrorlist?repo=core-$release ……
    の mirrorlist の部分を次のように修正します。
    #mirrorlist=http://mirrors.fedoraproject.org/mirrorlist?repo=core-$release ……
    mirrorlist=http://fedora.jp/datapool/yum/repo-mirror/fedora-core-6
    元々あったmirrorlist の先頭に # をつけコメント化し、新しい 国内用の mirrorlist を追加します。
    なお、ここで追加した mirrorlistは2007年4月時点のアドレスですので「Fedora Coreミラー一覧」で確認してください。

    ファイル内容中の …… は記述が長いので以下省略を意味します。

  3. /etc/yum.repos.d/fedora-updates.repo をエディターで開きます。
  4. 下記内容
    [updates]
    name=Fedora Core $releasever - $basearch - Updates
    #baseurl=http://download.fedora.redhat.com/pub/fedora/linux/core/updates/  ……
    mirrorlist=http://mirrors.fedoraproject.org/mirrorlist?repo=updates-releas ……
    の mirrorlist の部分を次のように修正します。
    #mirrorlist=http://mirrors.fedoraproject.org/mirrorlist?repo=updates-rele ……
    mirrorlist=http://fedora.jp/datapool/yum/repo-mirror/fedora-core-6-updates
  5. /etc/yum.repos.d/fedora-extras.repo をエディターで開きます。
  6. 下記内容
    [extras]
    name=Fedora Extras $releasever - $basearch
    #baseurl=http://download.fedora.redhat.com/pub/fedora/linux/extras/$release ……
    mirrorlist=http://mirrors.fedoraproject.org/mirrorlist?repo=extras-$release ……
    の mirrorlist の部分を次のように修正します。
    #mirrorlist=http://mirrors.fedoraproject.org/mirrorlist?repo=extras-$releas ……
    mirrorlist=http://fedora.jp/datapool/yum/repo-mirror/fedora-extras-6


yum-fastestmirror のインストール

「yum-fastestmirror」をインストールする方法を2種類紹介します。どちらか好みの方を行ってください。Linuxが初心者の方は方法その2を薦めます。

方法その1 GNOME端末等で下記を実行します。

#yum install yum-fastestmirror


 又は、全名入力が大変なので下記のように省略名入力でもかまいません。

#yum install yum-fast*

例1:

# yum install yum-fast*
Loading "installonlyn" plugin
Setting up Install Process
Setting up repositories
Reading repository metadata in from local files
Parsing package install arguments
Resolving Dependencies
--> Populating transaction set with selected packages. Please wait.
---> Package yum-fastestmirror.noarch 0:1.0.3-1.fc6 set to be updated
--> Running transaction check

Dependencies Resolved

=============================================================================
 Package                 Arch       Version          Repository        Size 
=============================================================================
Installing:
 yum-fastestmirror       noarch     1.0.3-1.fc6      extras             10 k

Transaction Summary
=============================================================================
Install      1 Package(s)         
Update       0 Package(s)         
Remove       0 Package(s)         

Total download size: 10 k
Is this ok [y/N]: y           <-- インストール確認を聞いてきます
Downloading Packages:
(1/1): yum-fastestmirror- 100% |=========================|  10 kB    00:00     
warning: rpmts_HdrFromFdno: Header V3 DSA signature: NOKEY, key ID 1ac70ce6
Importing GPG key 0x1AC70CE6 "Fedora Project <fedora-extras@fedoraproject.org>"
Is this ok [y/N]: y       <-- 初めての場合GPG Key設定確認を聞いてきます
Running Transaction Test
Finished Transaction Test
Transaction Test Succeeded
Running Transaction
  Installing: yum-fastestmirror            ######################### [1/1] 

Installed: yum-fastestmirror.noarch 0:1.0.3-1.fc6
Complete!
#

例2 スーパーユーザで無いためにエラー発生。
$ yum install yum-fast*
      Loading "installonlyn" plugin
      You need to be root to perform this command.
$
スーパーユーザ(root)ログインでない状態で行う場合、上記のようなメッセージが表示されます。下記のようにsu命令で一時的にスーパーユーザ状態になって行ってください。又はrootでログインし直して行ってください。
$ su
パスワード(P):       <-- ここでrootのパスワードを入力します。
#             <-- パスワードが正しければ # 状態になります。 

例3  パッケージ名が不適切なためエラー発生
# yum install yum-fast
Loading "installonlyn" plugin
Setting up Install Process
Setting up repositories
Reading repository metadata in from local files
Parsing package install arguments
No Match for argument: yum-fast
Nothing to do
パッケージが存在しない為エラー発生しています。この場合、名前省略文字 * をつけて yum-fast* で指定します。

例4  他でyum命令等がすでに実行中のためエラー発生
# yum install yum-fast*
Loading "fastestmirror" plugin
Loading "installonlyn" plugin
Existing lock /var/run/yum.pid: another copy is running. Aborting.
他でパッケージインストラーやサービス等でパッケージ自動更新が動作中の場合表示されます。(グラフィック画面のパッケージ更新ツールもyumを使用しています。) パッケージインストラーを実行中の場合はそちらを閉じてからもう一度行ってください。そうでない場合サービス等の自動更新が実行中と思われます。下記"Security Updates Avaiable"の画面にてサービスを強制終了してください。

方法その2 グラフィカル画面にて行う場合。

1.
アプリケーション/ソフトウェアの追加・削除 を実行します。

2. 次の案内表示をする場合があります。
スーパーユーザ(root)でログインしていない場合、「スーパーユーザ権限を必要とする"pirut"を実行しようとしていますが、実行するには追加情報が必要です。」が表示されます。
ここでは、スーパーユーザ(root)のパスワードを入力します。

3. 次の案内表示をする場合があります。
他でパッケージインストラーやサービス等でパッケージ自動更新が動作中の場合「ソフトウェア情報にアクセスしている別のアプリケーションが実行中です」が表示されます。 パッケージインストラーを実行中の場合はそちらを閉じてからもう一度行ってください。そうでない場合サービス等の自動更新が実行中と思われます。下記"Security Updates Avaiable"の画面にてサービスを強制終了してください。

4.
  1. 検索タグにて検索名「yum-fast」を入力し検索ボタンをクリックします。
  2. 結果として「yum-fastestmirror」が表示されますので、クリックしチェック状態にします。
  3. 適用ボタンをクリックし、インストール実行します。

5. 初めてのインストールの場合、「パッケージ yum-fastestmirror ……キーで署名されています。このキーをインポートしますか?」とPGPキーのインポートの確認があります。【キーのインポート】ボタンをクリックします。一度コンピュータにインポートされれば次回からは表示されません。

6.

パッケージ自動更新機能に関して

 FedoraCore6の場合、パッケージ自動更新が機能し、CD-ROMからFedoraをインストールし再起動後、しばらくするとパッケージ更新するかの確認を聞いてきます。初めてのパッケージ更新時は、更新ファイルが数百におよび大変時間がかかるので、先に「yum ミラーサイトを国内サイトに設定」と「Yum-fastestmirror のインストール」をし、その後パッケージの更新をすることを薦めます。

手順
1. このような"Security Updates Avaiable"メッセージが表示されますので、更新せずに終了しておきます。
終了方法
マウス右ボタンでクリックし上図のメニューを表示し終了をクリックします。

2. yum ミラーサイトを国内サイトに設定

3. Yum-fastestmirror のインストール

4.

パッケージ更新の実行。下記3点のいずれかを実行

  • 直接命令 #yum update にて実行する。
  • アプリケーションメニュー/システムツール/パッケージの更新 を実行する。
  • 上図の Security Updates Available メッセージの 【Appli Updates】ボタンにて実行する。 

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このページの対象者 (「先輩の手順書」Linux FedoraCore6 )

  • 国内ミラーサイト設定の必要性について知りたい。
  • "yum-fastestmirror"について知りたい。
  • "yum-fastestmirror"が機能していないようだ。
  • yum update , pup , rpm 等、 パッケージ更新を高速にしたい。パッケージ更新が遅い。パッケージ更新に時間がかかる。
  • "Security Updates Avaiable"が発生して困っている。
  • "Existing lock /var/run/yum.pid: another copy is running. Aborting."が発生して困っている。